時間の経過と、なにもかもが、小説も物語も実存も生活もありとあらゆるものがわたしから消えていくのだという悲しみにとらわれてしまっていて、ただただかなしい。

わたしたちはきっと、きっと、ここに居続けるだろう。

お正月くらいからどうにもうつうつとしていたのだけれど、元気になってきている。 最近は映画をみてばっかりな気もする。 『ムアラフ 改心』 イスラーム映画祭で見た映画その3。マレーシアの監督ヤスミン・アフマドの作品。マレーシア映画では最近の有名な…

ねこごぜを読む。 ふたりの関係がちょっと、充足しきっていて、その安定感が間延びしてしまっている印象。しかし、朝霧の巫女もこまさんの話まではこんな感じだったような気がしなくもない。夜梅と鶯の関係をこれから崩してくるのだろうけれど、それまで待つ…

雑事と雑事と雑事をこなしているうちにすぎていく師走。 イスラーム映画祭に行き、『法の書』『神に誓って』を観る。パワーがあった。よい。某ハッサンがいて、ちょっとおもしろかった。 ウェルベックの『服従』を読み終える。ウェルベックであったが、とく…

さむくてさむくて、さむい。 ガルパン劇場版を観にいった。いつも映画は渋谷でみるのだけれども、調べたら渋谷ではやっていなくて、こないだ新聞で映画の街渋谷は凋落して新宿に中心は移ったと書いてあって、その真実味の一片をかんじた。 映画は、順当にテ…

『ホワイト・ゴッド』を観にいった。終盤までは非常によかった。特に犬たちのシーンはどれも素晴らしかった。人間の歩行とは根本的に足の動かし方が異なる四肢の駆動のリズムが絶えず画面をきちっと支えていて、純粋に感動した。 けれど、最後に犬たちが保健…

イスラーム映画祭というのを12月にやるらしく、気になっている。 レヴィストロースを読んでたりしていると(『仮面の道』を読んでいる)、構造分析の狂気にとらわれて、落第騎士なんかを構造分析しようとしてしまう。主人公とヒロイン2人の三項構造の不安定…

ひとと会い、酒を飲む。頭が痛い。経験的には日本酒やワインとかの醸造酒を飲むと必ず頭が痛くなって、ウィスキーと焼酎の蒸留酒を飲むとそんなでもない。ただ、たんにプラセボという可能性は高いけれども。

風景画の誕生展を観にいった。割とそんなに人はおらず、快適。 宗教画の背景から徐々に独立していって、とうとう人間のいない純粋な風景画が誕生するというプロセスで展示していて、なかなか素晴らしかった。風景画の技術的なあるいは題材的な豊かさというの…

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『死に魅入られた人びと』を読む。 こういう本が読めるというだけで、自分の心にソ連を持っていてよかったと思う。あらゆるページを引用したいぐらいで。 たとえば、自殺した党官僚を語る同僚の話なんかはいかにもソ連の…

時間の堆積がおのれのからだをどんどん重くしていって、感傷というモラルが自身の精神を殺してしまいそうになっているのだ。センチメンタリズムに自由が抑圧されている、そんな感覚が何か月もつきまとっている。

こないだ国会のデモを観に行ったので思ったこと。 ・いつのまにかサイリウムが導入されていた。脱原発のときにはなかったから最近始まったのではないか。夜までやるときは結構悪くない感じ。団塊世代のおじいちゃんおばあちゃんがサイリウムを振っている光景…

ひとと話すなど。 重力の虹を読んでいる。読んでいて文章の快楽はすさまじいが、はなしはさっぱりわからない。第2部になったら話がわかると訳者の佐藤良明が言っていたが、第2部になったら確かにはなしはわかるが、逆に文章に精彩がなくなって、読むのが詰ま…

Internet, someone still loves you?

小説を読むこともできずに、文化の断片をかろうじてなめているだけだ。 『エド・ウッド』をずっとウディ・アレンの映画だと思いこんでいて、近くのレンタルビデオ店の監督別コーナーのウディ・アレンの棚で、タイトル50音順に並んでいるDVDの、あの『ウディ…

お酒を二日連続で飲んで身体が毛羽立ってさざなんでいるみたい。近頃はなぜだか体の不調への感度があがっていて、熱が出たりする直前に体の浮遊感やぞわぞわとした皮膚の感覚が降りてきて、以前はそんなことはなかった。しかも、その感覚がいつも外を歩いて…

てさプルを見た。声優の統治という問題系は、まあともかく。(そんなものはフーコーにでもアウトソーシングしてればよろしい) すみぺのことだ。否応なしに問題系がおのれを捕らえて離さない。それは実存の系としてであって、たとえば洲崎西への聴覚とは根本…

原因不明の体調不良。汗がだらだらと流れて、くしゃみと鼻水が止まらない。 ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』を読み終える。なんだかんだと忙しくてひと月ほどかかってしまった。 よい。かなりよい。意識を書くということはこれくらいに抑制的でなくてはなら…

足が完全に冷たくなって死体のように固まる、それくらいに寒い夜。 シンデレラガールズのことを考えている。彼女たちの徹底した自己実現性。 8話の蘭子のエピソードが最も顕著とはいえ、多かれ少なかれあらゆる彼女たちに共通するのは極限までに自己実現とな…

書く、という試みをなんとかこの手に取り戻さなくてはいけない。 なんとか再開したいと思っています。 『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』を読む。 よくできている。「よくできている」という感覚こそが、より一層の絶望を…

まだ夕暮れは終わっていなかった。 完全下校時刻まで、まだ30分はある。 たいしたことはできないけれど、少しは準備をしておくべきかもしれない。 私は部室棟へと足を運ぶ。 上履きのゴム製の底が、リノリウムの床にこすれて音が鳴る。規則正しい4拍子のリズ…

『大いなる沈黙へ』

『大いなる沈黙へ』を観に行った。 フランスにあるグランド・シャトルーズという修道院のドキュメンタリーである。かなり厳格な修道院らしく、外部のひとは立ち入り禁止、週に4時間の散歩以外は沈黙、取材を願い出たら「まだ早い」と許可が出るまで16年かか…

下校しようとした私の靴箱には紙片が入っていて、 『生徒会室、17.25時、ほしのみや』 その指示通りに私は生徒会室の扉を開けた。 オレンジ色の西日は北向のここには入らない。 暗い部屋のなかに、ひとり。 「来たね」 生徒会長、海海星宮(うみうみ・ほしの…

#2

久しぶりに更新。一息ついたのでこないだの小説の続きをのせます。 さらに続きを書くかはかなり怪しい。 * 頭で決めた覚悟がわたしの全身に浸みわたっていって、心臓の鼓動がどんどんはやまることを止めることができない。だいじょうぶだいじょうぶ、死体は…

考えるんだ。この最近のうんざりといきづまりは、考えていないからだ。汲々と生きてしまっている。もっとどうしようもない感じで考えなくてはいけない。

てさぐれ!部活ものへの自分の賛辞とだいたい同じだった。http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45201_22667.html

最近は『後宮楽園球場』の花刺(フワーリ)はやっぱり素晴らしいのではないか、という思いを抱いている。 設定というよりは、その名前の眼触り。イメージの衝突のその感覚をキャラクターと呼ぶこと。そうでもなければあまりにも言葉が貧しすぎるものだとして…

昆布出汁でとろとろと大根を煮て、醤油をたらして食べる。 茹でた饂飩と出汁を絡めて啜り、寝る。

書く、あるいは小説を書く、ということの切実さがおのれのからだから少しずつ摩耗していっていることは自覚していて、だからルーチンだとか習慣に賭けなくてはいけないのだ、という気がしていて、それも益体のないことだ。