さむくてさむくて、さむい。

 

ガルパン劇場版を観にいった。いつも映画は渋谷でみるのだけれども、調べたら渋谷ではやっていなくて、こないだ新聞で映画の街渋谷は凋落して新宿に中心は移ったと書いてあって、その真実味の一片をかんじた。

映画は、順当にテレビシリーズの延長のファンディスクという感じで特になにか言うようなあれではなかった。カンフー映画やチャンバラ映画にも似た、おだやかな退屈。

とはいえ、中盤の閉校からの隔離のシーンは、テレビ版ではミリタリーのマテリアルな偏愛だけになるように注意深く除かれていた政治的なものの扱いが、例外的に全面に出ていて、前半と後半のアクションシーンを特に繋げることもなかったのが気になるといえば気になった。

木造校舎の壁に飾ってあった写真がなぜか原爆投下の写真(だった気がしたんだが……)で、それではっとさせられて以降は、かなり敗戦後の日本のニュアンスを色濃く押し出していたことを否定するのは難しい。やさぐれる風紀委員の行動はあきらかに特攻崩れのそれであるし、食糧問題の示唆に、特に、戦車がサンダース学園に保護されて、もう一度サンダース学園から戻されるあたりは、完全に「日本の再軍備だ…!」とわなわな思っていたのだけれど、じゃあそれが何か意味をなしていたかといえば、そういうわけでもない。後半のアクションシーンの全校ドリームチームを、戦後日本の国際協調という夢・日本イデオロギーとか言えなくはないかもしれないが、べつにそんなことはなかろう。

そんな感じ。