新美少女主義(もうちょっといいネーミングがほしいところ)はかつて存在していた美少女という文明を、その特徴を誇大化することで再生しようという目論見でとりあえずまとめておく。

ディスコミュニケーション・トラウマ・奇跡。新本格がトリック・ロジック・プロットであるような概念単位として、このみっつが暫定的に据え置かれる。このみっつのそれぞれの言葉は文字通りの意味よりもはるかに拡張して使うことが可能であることは言うまでもない。

おそらくこのなかで何よりも第一に重要なのはディスコミュニケーションだろう。ツンデレ・ラブコメetcの制度的な概念によって、キャラクターの理解・コミュニケーションが存在するという幻想をわたしたちのフィクションは植えつけられてしまっている。そのような虚偽意識からフィクションを解き放たなくてはならない。注意深く慎重に第一歩を踏み出さなくてはならないだろう。

この試みの間に心休まる時はほとんどないにちがいない。だが、キャラクターの撤退戦(アスナをキャラクターと呼ぶこと)をしないためにはこの程度の攻撃性を黙々と砥がなくてはいけないのだ。