小説はまあ、言葉でつくられる以上、それはひとつの現実である。たとえばアニメや漫画のように全面的な虚構性を主張することは、困難だ。

しかし、ひとつの小説がひとつの現実である、ということは、わたしたちが自分の所属していると思っている世界についてわたしたちが思うなにかしらの現実とは、まったく関係がない。小説と現実が似ていることがあるとしても、それは偶然と言っても区別がつかない地点において意味がしている。

ここをスタートに小説を書くことが可能だろうか?